
エフィカシー、もしくは自己効力感という言葉を聞いたことはないでしょうか。
エフィカシーとは『自己能力の自己評価』のことをいいます。
実はこのエフィカシーが影響することは精神面だけではなく、仕事上のパフォーマンスや人間関係など非常に多岐に渡ります。
そこで本記事では
- エフィカシーについて概要
- エフィカシーの高い人と低い人の違い
- エフィカシーを高める具体的な方法
などを紹介していきます。
目次
エフィカシー(自己効力感)とは
先述したようにエフィカシー(自己効力感)とは自己能力の自己評価のことです。
心理学者の『アルバート・バンデューラ』が提唱しました。
『目標』や『遂行すべき課題』において『自分がその目的を達成できるという確信の強さ』がエフィカシーにあたります。
この『達成できる確信が強い』と『エフィカシーが高い』と表現し、逆に『達成できる確信が弱い』と『エフィカシーが低い』などと表現することがあります。
例えば、仮に自分が学生だったとします。
もし「次回のテストで満点を取れますか?」と尋ねられたらどう感じるでしょうか。
『満点を取れる確信があまりない』と感じたらエフィカシーが低いといえます。
『必ず満点が取れる!』っという確信があったらエフィカシーが高いといえます。
これは単に『自信があるかないか』という話という訳ではありません。
エフィカシーの高さは当人のパフォーマンスに大きく影響するからです。
エフィカシーが影響することと効果
人はエフィカシーに合わせて無意識にパフォーマンスをコントロールしています。
先述した『学生テスト』の例であれば『満点をとる確信がない』と答えた場合、実際にテストで満点をとる確率が飛躍的に低くなります。
テスト中にうまく頭が回らなかったり、記入欄を間違ったりするなど無意識的にケアレスミスを出したりします。
逆に『満点をとる確信がある』と答えた場合、満点をとる確率は飛躍的に高まります。
テスト中は頭が冴え、冷静に問題を解きやすくなります。
学生時代の時にクラスに1人くらい『あまり勉強していないけれど好成績をキープしている人』はいませんでしたか?
学生社会において妬まれるような存在ですが、そういう人はもともと勉強全般に対するエフィカシーが高いのです。
『勉強は難しい、苦手だ』というような自己評価ではなく、『勉強は簡単、楽しい』といった自己評価を持っているのです。
勉強を例としてあげましたがエフィカシーは
- 仕事
- 人間関係
- 健康状態
- 精神状態
などあらゆる面に影響してきます。
エフィカシーをコントロールすることは人生をコントロールするといっても過言ではないくらい重要なことなのです。
エフィカシーとセルフエスティームの違い
エフィカシーとよく勘違いされるのがセルフエスティーム(自尊心)です。
エフィカシーが『自分が目的を遂行できる確信』に対し、セルフエスティームは『自分を敬う感情』です。
つまり前者が『自覚』に対し、後者は『感情』なのです。
『自信』は『自分を信じるという想い』なのでどちらかといえばセルフエスティームにあたります。
したがってエフィカシーが高い=『自信に満ちているさま』と考えるのは微妙にズレているのです。
エフィカシーの高い人の特徴
エフィカシーが高い人の特徴は
・精神的、社会的に自立している
・社会的な地位を得ている
といった点があげられます。
自己評価が高いということは自分にできることに対する自覚がはっきりしているということです。
したがって仕事などあらゆることにおいて高くて安定した生産性を生み出します。
こういった人は客観的に『何事も順調にステップアップしている才能ある人』にみえたりするでしょう。
高いエフィカシーを持ち続けているとやがて、特定の業界の権威になることも多いです。
高いエフィカシーの人は自然と周りの注目を集め、ブランドイメージを築くことが容易いからです。
エフィカシーの高める6つの方法
エフィカシーを提唱したアルバート・バンデューラはエフィカシーを高める基礎は以下の6つの点が影響していると提唱しています。
・代理経験
・言語的説得
・生理的情緒的高揚
・想像的体験
・承認
それぞれ解説していきます。
達成経験
エフィカシーを高めるにおいて最も一般的なものが達成経験です。
自身にとってなにか重要なことに取り組み、達成した体験をすればエフィカシーが上がります。
例えば自転車を運転できる人は当然ながら『自転車に乗れることは当たり前』という自己評価があります。
それは子供の頃に何度も転倒しながら試行錯誤しながらも自転車に乗れるようになった達成経験があるからです。
代理経験
代理経験によってエフィカシーがあがる現象は自分以外の誰かが何かを達成するのを客観的に観察している時に起きます。
いわば自分以外の誰かを通して達成を擬似体験するようなものです。
代理経験をする場合は自分と同じような能力や境遇の人であればより強く効果を発揮します。
サクセスストーリーなどのドキュメンタリーをみて『この人が達成できたのであれば私にもできるかも』と思った経験があると思います。
そういった意味では人を応援することも間接的にはエフィカシーを高めることに繋がります。
言語的説得
言語的説得、いわば言葉の影響でエフィカシーを高めることが出来ます。
言語的説得は『自分自身への言葉がけ』と『他人からの言葉がけ』があります。
自分自身への言葉がけとして『私は達成できる』と自負したり、暗示をかけることによってエフィカシーが高まります。
自分自身の暗示でエフィカシーを高める方法としてアファメーションがあります。
他人からも『あなたはすごい』とか『あなたはできる人だ』など称賛や評価されることなので自己評価が高まることが多いですね。
生理的情緒的高揚
生理的情緒的高揚とはいわば心身の状態の変化によって現れる自己評価の変化です。
感情的な面でいえば落ち込んでいると時よりも、明るい気分の方がエフィカシーは高まります。
また、お酒で酔っている時などは気分が高揚し、理性的思考が働きづらくなる為に自己評価が高まることもあります。
しかし、酔いが冷めたらまた元の状態に戻ることになるので一過性のものでしかならないでしょう。
想像的体験
想像的体験とは『想像』で成功をイメージしたりするなどでエフィカシーが高めることが出来ます。
これは人間の脳が想像と現実を区別することが出来ない為です。
したがってなにかに挑戦する前に成功のイメージトレーニングをすることは理にかなっていることとも言えます。
承認
承認、他者から認められることによってエフィカシーが高まります。
承認されるのは他者からであれば誰でも良いというわけではありません。
その道である程度の影響力や権威のある人に認められることが必要になります。
子供の頃であれば親や学校の先生に褒められることで自己評価が高まります。
スポーツ選手であればオリンピック選手を育て上げた監督などから実力を認められたりすると相当にエフィカシーは高まるでしょう。
また、難易度の高い社会的権威のある資格などを取ったりしても、自己評価が高まります。
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