瞑想を習慣に取り入れようとする時に『どのようなやり方でやればいいのか』と悩む人は少なくないのではないでしょうか。
特に意識が散漫になりがち、思考が止まらないという人は最初は瞑想に苦戦することも少なくありません。
そんな人におすすめなのが歩きながら瞑想をおこなえる歩行瞑想がおすすめです。
歩行瞑想であれば普段なにげなくおこなっている肉体の動作に意識を集中することによって瞑想状態に入りやすくなります。
この記事では
- 歩行瞑想の効果
- 歩行瞑想のやり方
など解説していきます。
目次
歩行瞑想とはなにか
歩行瞑想とは文字通り、歩きながらおこなう瞑想のことです。
瞑想というと座禅を組んで静かに構えるようなイメージがあると思いますが歩行のような日常のなにげない動作でも瞑想状態にはいることが出来ます。
歩行は一定のリズムを繰り返すことによって瞑想状態に入りやすい
『歩く動作』がなぜ瞑想状態に入りやすいかというと一定のリズムで何も考えずにおこなうことができるからです。
座禅を組む瞑想だとオーソドックスなものが『呼吸』を観察するというやり方があります。
呼吸は何も考えずにできる動作でかつ『吐く』『吸う』という一定のリズムを繰り返しています。
同じように歩行も『足をあげて前に出す』『足を地面につけて重心を移動する』といった一定のリズムの動作を繰り返しています。
このような条件から歩行も意識を集中すれば瞑想状態に入りやすいのです。
普段の歩行時間のほとんどは思考している
歩行によって瞑想状態に入ることができるのであれば『普段歩いている時間は瞑想状態に入っているのではないか』と思うかもしれませんがそうではありません。
なぜなら通常ほとんどの歩いている時間は思考のなかにいるからです。
呼吸が考えながらでも無意識にできるように歩行も考えながら無意識に出来てしまいます。
逆をいえば歩いている時間に意識を集中させれば瞑想状態に入りやすいともいえます。
歩行瞑想が瞑想初心者におすすめできる理由
歩行瞑想は
- 動作に意識を向けることによって集中しやすい
- 日常のなかで習慣として取り入れやすい
- いつでもどこでも行うことができる
といった点で瞑想初心者におすすめできます。
それぞれ詳しく解説していきます。
動作に意識を向けることによって集中しやすい
歩行瞑想は身体の動きにに意識を向けることによって瞑想状態に入りやすくなります。
一般的な座禅を組む瞑想だと『無心』になるとか『呼吸』を観察するといったいわば、意識や思考をコントロールすることに集中します。
しかし、瞑想初心者にとってはこの空を掴むような感覚がいまいち理解しづらいことから瞑想に難しさを感じてしまいます。
しかし、歩行という『動作』はこれらより感覚的に認識しやすく、意識を集中させることも出来ます。
日常のなかで習慣として取り入れやすい
歩行瞑想だと日常的に習慣化しやすいのも大きなメリットです。
一般的な瞑想だと
- 瞑想をおこなう時間の確保
- 瞑想をおこなう環境(静かで落ち着ける場所)の確保
といった準備は最初は面倒に感じ、なかなか習慣化しづらいのがネックです。
しかし、歩行瞑想であれば
- 会社の出勤時や退勤時
- 買い物
- 散歩
など日常的に行っている習慣と組み合わせておこなうことができます。
こういった『ついで感覚』でおこなうことによって瞑想を習慣化することに挫折しづらくなります。
いつでもどこでも行うことができる
歩行瞑想は歩ける場所であればいつでもどこでもおこなうことができます。
先述したように通常の瞑想だと基本的に瞑想に適した落ち着いた環境で行わなければなりません。
しかし、歩行瞑想だとまわりの環境に条件づけされることなく、おこなうことができます。
また、雨の日などで外を歩けない時でも屋内で足踏みする
運動をするだけでも歩行瞑想はおこなえます。
歩行瞑想のやり方
歩行瞑想は以下の手順でおこなうことがおすすめです。
- 立ち姿勢で足の感覚に集中する
- 感覚を集中しながらその場で足踏みをしてみる
- 足の感覚をキープしながら歩行する
ポイントは『やり方』ではなく、『感覚をキープすること』です。
細かいやり方にこだわると『思考』が働いてしまい、意識が散漫になって集中力が途切れてしまいます。
それぞれのステップを詳しく解説していきます。
1・立ち姿勢で足の感覚に集中する
まずは動くことはせず、立ち姿勢で足の感覚に意識を集中します。
- 足の裏が地面に触れている感覚
- 立つことによって脚全体の筋肉が緊張している感覚
など『感じていること』に意識を向けます。
もし、『思考が止まらなくてうまく集中できない』場合は視線をしたに向けて右足と左足の間の地面の真ん中に視線を集中させると思考がおさまりやすくなります。
2・感覚を集中しながらその場で足踏みをしてみる
ステップ1で足の感覚に意識を集中することが出来たら、その感覚をなるべくキープしながらその場で足踏みをしてみます。
足の裏の感覚、脚全体の感覚をキープしながら足を持ち上げる動作を感じます。
- 骨盤まわりや太腿の筋肉が緊張して足を持ち上げる
- 筋肉の緊張が緩んでゆっくりと足が地面に戻り、地面に触れた感覚を感じる
といった感覚をひとつひとつ丁寧におこないながら足踏みをします。
この時になるべくゆっくりとした動作でおこなうと集中力を切らしにくいです。
逆に普段おこなっている『無意識におこなっている歩行』のスピードで動作をおこなうと、瞑想状態に入りにくくなるので注意します。
屋内でおこなう場合はこの2ステップだけでも瞑想状態に入ることができます。
3・足の感覚をキープしながら歩行する
集中力を維持しながら足踏みをおこなうことができたら今度は実際に歩行をおこないます。
ステップ2と同じようになるべくゆっくり丁寧におこないます。
屋外でおこなうとなると
- 騒音
- 段差や急坂などの足場の変化
- 人ごみなどの障害物
などを集中力を削がれる障害が多くあります。
無意識的に騒音などに気をとられたりして足の感覚が置き去りにされないようにします。
最初はちょっとしたことで集中力がとぎれたり、雑念に囚われたりするかもしれません。
しかし、焦らず、丁寧に一連のステップを繰り返して少しずつ瞑想状態を維持できる時間を増やしてください
歩行瞑想に慣れるとやがて他の瞑想方法の感覚も掴みやすくなります。
『番外編』眺める瞑想もおすすめ
歩行瞑想に慣れたら『眺める瞑想』もおすすめです。
『眺める瞑想』とは視覚から入る情報をそのまま受け入れる瞑想方法です。
例えば公園のベンチに座っている状況だとします。
普段だと
- 面白そうな遊具があるな
- 子供が遊んでいて楽しそうだな
- 良い天気で気持ち良いな
だと目の前の景色に対して無意識的に『意味付け』や『解釈』をしています。
『眺める瞑想』ではこういった資格から入ってくる情報に対して『意味づけ』や『解釈』をおこないません
- 遊具がある
- 子供がいる
- 日差しが照らしている
というように小説の状況描写にようにそのまま、受け入れます。
ただただ目に入ったものをそのまま受け取るだけです。
かなりシンプルな方法ですが雑念が取り払われ、無心になりやすくなるのでおすすめです。