どのような活動や仕事にしろ、誰でも『短い時間で効率よく生産性や成果をあげていきたい』と思うものですよね。
効率よく生産性をあげていくにあたって重要なスキルがタイムマネジメントのスキルです。
タイムマネジメントをおこなうことによって短い時間で生産性を数倍にし、かつ充実した時間を過ごすことができます。
そこで本記事では
- タイムマネジメントの必要性や重要性
- タイムマネジメントのコツ
- タイムマネジメントにおすすめのツール
などを紹介していきます。
目次
タイムマネジメントとは
タイムマネジメントとは個人や組織などの時間の使い方を管理、改善し、生産性の向上を目指すことです。
例えば1時間に10の業務量をこなしていた人がいたとします。
これを
・1時間に20の業務量をこなせるようにする(生産性をあげる)
・30分で10の業務量をこなせる仕組みを作る
(不要な時間を削減する)
などがタイムマネジメントの一例です。
つまり、タイムマネジメントの目的は『時間を管理する』ことではなく、『時間に対する生産性や質をあげること』となります。
タイムマネジメントの重要性
タイムマネジメントは人生において非常に重要なスキルです。
例えば単純な計算として『1時間の生産性が10』の人がいたとします。
この人の成果の量を日毎に計算してみると
- 1日(8時間)働いて『80』の成果
- 1ヶ月(30日)働いて『2400』の成果
- 1年(365日)働いて『29200』の成果
となります。
ではこの人の生産性が1時間『12』にあがったとします。
すると
- 1日8時間働いて『96』の成果
- 1ヶ月(30日)働いて『2880』の成果
- 1年(365日)働いて『35040』の成果となります。
1年単位でみると『5840』もの成果の差があります。
『生産性10の人』が『生産性12の人』に追いつこうと思ったらもう『73日』(2ヶ月と半月ぐらい)働かなければならないということになります。
さらに、これが10年になるとちょうど『2年』の差になります。
さらに、これがチームや組織になるともっと莫大な数字になることは想像に容易いでしょう。
つまり、タイムマネジメントを日常的におこなっているかどうかは『人生の充実度や達成感』などにも大きく関わってくるのです。
タイムマネジメントスキルが活きるのは『仕事』だけではない
タイムマネジメントは時間を計測し、改善できるものであればどのような分野で大きく生産性を高めることができます。
- 仕事の生産性をあげ、残業をなくしてプライベートの時間を充実させる
- 家事の時間を減らして、家族と過ごす時間を増やす
- 勉強の時間の質をあげて、効率よく知識を吸収する
- 働く時間を減らしつつ、収入をあげる
といったことも可能になります。
企業の社長や富裕層などは『お金』よりも『時間』に価値観をおく人が多いといわれますがこういった要素もひとつの要因ですね。
タイムマネジメントの基本的な考え方とやり方
タイムマネジメントは基本的に
・時間の質を改善するアイデアを立案する
・改善したアイデアを実行しつつ、生産性が改善されたかチェックする
といった行程でおこないます。
ここから分かりやすい例で解説していきます。
一定の期間の時間に対する生産性を計測し、チェックする
例えばとある会社が『社員の仕事の生産性をあげたい』としてタイムマネジメントをおこなうとします。
そこで社員が1日でおこなう業務のうち、『どの業務にどれくらい時間をかけているのか』を計測してみることにしました。
すると、意外にも『顧客や取引先とのメールのやり取り』の業務が『業務全体の60%以上』ということがわかりました。
時間の質を改善するアイデアを立案する
経営者側からすると『メールのやり取りの業務』は会社の利益に対する生産性が低いのでこの業務にかける時間を少なくし、別の業務に集中してほしいと考えます。
そこで時間の質を改善するために以下のような施策をすることにしました。
- メール対応は予め取引先や事例ごとにテンプレートを用意する
- 何度もメールをやり取りしなければならない用件はメールではなく、電話をする
- ユーザビリティの高い顧客対応ツールを導入する
改善したアイデアを実行しつつ、生産性が改善されたかチェックする
新しい施策を社員に実行してもらい、再度業務にかける時間を計測すると『顧客や取引先とのメールのやり取り』の業務が『業務全体の50%』に減らすことが出来ました。
しかし、経営者側からすれば期待していた数値とはほど遠いものです。
そこで現場に社員にアンケートしてみます。
すると
- メールのテンプレートを制作するのに時間を要した
- 顧客によってはメールより電話の方が時間がかかった
- 新しいツールの操作に慣れるのに時間を要した
というフィードバックがありました。
『テンプレート作成』や『ツールの導入』は導入するのに別の時間のコストがかかってしまいましたが、次回以降はより良い時間のコスト削減が期待できます。
逆に『電話対応』はかえって生産性が落ちる結果につながったので以前の『メール対応』の業務に戻すことにしました。
すると次回の計測時に『メールのやり取り』の業務が『業務全体の30%』に減らすことができました。
結果的に社員はより生産性の高い業務に集中することができ、会社の利益にもあげることができました。
このように『時間に対する生産性を計測』→『改善案の実行』→『再計測』→『改善案の実行』というサイクルを繰り返すことがタイムマネジメントの流れです。
生産性を数倍にあげるタイムマネジメントの3つのコツ
生産性をあげるタイムマネジメントのコツは以下の3点です。
・予定やタスクをリスト化し、優先度を決める
・休息やリラックスできる予定も設定する
それぞれ解説していきます。
ユーザビリティの高い時間管理ツールを使う
タイムマネジメントをはじめようとした時に重要になってくるのが使用する時間管理ツールです。
時間管理ツールを選ぶ基準は
- 時間の内容をカテゴライズしたり、タグ付けなどで細分化できるか
- 管理できる端末はPCやタブレットスマートフォンに対応しているか
- 集計したデータをグラフなど見やすい形でみれるか
- データをクラウド上で共有できるか
といった点を考慮して選ぶことがおすすめです。
なぜ上記の点を重視したのかというとタイムマネジメントにかける時間や手間が大幅に削減できるからです。
生産性をあげたいのに『タイムマネジメントをおこなう時間』に時間がかかってしまうと本末転倒ですよね。
したがってなるべく、簡単に記録できて、簡単にデータ化し、簡単に共有できるツールを使うことが重要です。
筆者は『toggl』とよばれる時間管理ツールを使っています。
『toggl』の詳しい詳細は『こちらのサイト』が参考になります。
予定やタスクをリスト化し、優先度を決める
予定をタスクを整理し、優先度を決めることも生産性の大幅なアップに繋がります。
優先度を決める基準は
- タスクの緊急性や重要性
- そのタスクを処理しやすい時間帯
の2点を考慮して決めることがおすすめです。
- 緊急性は『いつまでに終わらせる必要があるか』
- 重要性は『その活動にどれくらいの価値があるか』
といった点を考慮します。
緊急性の高いものは『タスクや時間に追われるストレス』などがあり、生産性も下がったり疲れやすくなります。
したがって『重要性が高いタスクからとりかかり、その後に緊急性の高いタスクに取り掛かる』方が総合的にみて生産的です。
また、タスクの内容によっては生産的に『とりかかりやすいタイミング』があります。
例えば、『創造的な作業』や『複雑な計算をする作業』など集中力を要する作業は脳が疲れていない午前中の時間帯が適しているといわれています。
逆に昼食後など身体が消化活動にエネルギーを使っている時間帯は眠気などで集中力が落ちるため、集中力が必要なタスクを処理するタイミングには向いていません。
休息やリラックスできる予定もたてる
予定はタスクだけではなく、『休息の時間』を入れておくことも重要です。
常々述べているようにタイムマネジメントをおこなうのは『生産性をあげるため』です。
どのようなタスクにしろ、人間がおこなう以上はコンディションや精神状態によって生産性に差が出てきます。
したがって生産性が落ちる前に適度な休憩を入れることです。
一般的に人間の集中力が続くのが45分前後だといわれています。
小学校の授業時間も45分前後授業をして10分前後の休憩をいれますよね。
これは休息する時間を取り入れることによって、次の授業に対する集中力を養う目的もあります。
1人での仕事や勉強など時間の経過も忘れてしまって1時間も2時間も作業に取り組み続けることがありますが時間を計測して、ブレイクタイムを設けることによって高い生産性を維持することができます。