人生で時折ぶつかる深い悲しみの癒し方について

誰でも深い悲しみに包まれた経験はあると思います。

大切な人との別れだったり、何か大切なものを失った時だったり、何か期待していたものが得られなかったといったことです。

悲しみは深ければ深いほど、その人の人生に大きな影響を与えます。

それはまるで時が止まり、世界が暗闇に包まれてしまって何も見えなくなるような感覚です。

人によっては生きる気力を奪うような苦しみを感じることがあるでしょう。

私の人生も悲しい体験は幾度もありました。

幼い頃に母親との死別をしたり、大失恋をしたり、ビジネスで詐欺にあったり悲しい体験は周期的にやってきました。

その度に思っていたのは『いかに建設的に悲しみの感情を癒し、前を向いてポジティブに生きることに切り替えられるか』ということです。

そこでさまざまなセラピーを学び、実体験に基づく悲しみの癒し方を本記事ではまとめました。

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そもそも悲しみとはどういう感情か

悲しみは一般的に何か大切なものを失ったと感じることがきっかけで沸き起こる感情です。

・大切な人との繋がりを失った
・期待を裏切られ、信頼を失った
・挑戦に失敗し、希望を失った

といったようになにか情を感じる対象を失ったと感じる時に悲しみを感じます。

つまり、悲しみを感じる対象にはなんらかの感情を感じていたのです。

愛情、友情、信頼、希望、一体感、期待などなど

身内との死別による深い悲しみはいうまでもなく、愛情を感じる繋がりを失ったと感じるから悲しいのです。

『失った』と自覚する度に悲しみの感情が湧き上がってきます。

私が母との死別をした時には『もう家にはいないんだ』とか『もう母の料理を食べられることはないんだ』などと失ったことを意識した度に悲しみが沸き上がりました。

悲しみは他の感情と複合的に感じることが多い

悲しみを体験した時のことを振り返ると他の感情も湧き上がってくることが多いです。

悲しみとセットになりやすいのは『怒り』です。

喪失の悲しみにくれたあとに『なんでこんなことになってしまったんだ!』と思うように悲しみをきっかけに怒りのスイッチが入ります。

また、悲しみから一転、ポジティブな感情になることもあります。

これは喪失によって気づいたことや新たに得られたものがあったということに意識を向けた時です。

『大切な人を失ったのは悲しいけど私は愛されていた』とか『悲しい別れだったけどこれで新しい人生のステージに進むことができる』といったようなことです。

しかし、だからといって意識を無理やりポジティブな方向に向けることが悲しみを癒すことにはつながらないと私は考えます。

それは湧き上がりそうな感情に蓋をしているだけのように感じるからです。

悲しみを感じないようにしても根本的解決にはならない

私が最初に悲しみを感じた時に対処していたことは『とにかく忙しくすること』でした。

悲しみに浸ることなく、仕事や人付き合いをしていたら嫌でも悲しいことは忘れられるだろうと考えたからです。

確かに、この方法は短期的には効果がありましたが根本的解決にはなりませんでした。

ちょっとしたきっかけでしまっていた悲しみの感情が湧き上がってくるからです。

例えば、思い出の品を見つけてしまったりとか、話の話題で偶々話さなければいけなくなったりとかです。

悲しみから目を背けても感情はずっと残っているんですよね。

悲しみを癒す4つの方法

悲しみを根本から癒すにはどうすれば良いのか、私の結論は以下の4つです。

・考え方を変える
・悲しみを味わい尽くす
・同じに悲しみを持つ人と繋がる
・『怒り』として発散させる

それぞれ解説していきます。

考え方を変える

一番建設的な方法は『悲しみに対する考え方』を変えるということです。

悲しみは誰も感じたくありませんし、避けたいのはあたりまえです。

しかし、喜怒哀楽を感じることは人間にしか出来ないことです。

だったら『悲しみも人生を彩る要素のひとつ』と考えることも出来ます。

避けるのではなく、向き合うことで抵抗する痛みがなくなります。

そして時間の経過と共に少しずつ悲しみが癒えていきます。

悲しみを味わい尽くす

さっさと悲しい気持ちからおさらばしたいのであればあえて悲しみを味わい尽くしてみるのもひとつの対処法です。

人間はずっと同じ状態を維持することが出来ません。

ずっと喜びの状態のままいられることが無理のようにずっと悲しみの状態でいられることも出来ないのです。

悲しみにくれている時はこの苦しみが永遠に続くかのように感じますが、やがて溢れ出した感情が底をつく時がきます。

だからあえてこの悲しみを意図的に感じて絞り出してしまうのです。

例えば失恋をしたことがある人は失恋ソングを歌ってひたすら泣き続けた経験があったと思います。

このようにあえて悲しみを浄化させる意図で泣いたりします。

思い出の品を見つめ直したり、思い出の場所に訪れてみたりするのも良いかもしれません。

同じに悲しみを持つ人と繋がる

次にあげられるのは同じ体験をした人と繋がるということです。

同じ境遇を経験したからこそ、気持ちを分かち合い、繋がることが出来ます。

アメリカなどのカウンセリングの世界ではトラウマや依存症などの同じ精神的悩みをグループ内で打ち明けたり、励まし合うセラピーがおこなわれていたりします。

1人で悲しみにくれていると出口のない迷宮にいるような気持ちになります。

けれど同じ悲しみを体験した人が励ましてくれたり、また前向きな姿勢で接してくれたりすると自然と自分も元気をもらえますよね。

『怒り』として発散させる

最後にあげられるのは荒療治ですが『悲しみを怒り』に変えて発散させる方法です。

とあるプロのカウンセラーから伺った話です。

死別の悲しみにくれているクライアントにあえて『故人に対するフラストレーションをぶつけるように叫ばせる』というセラピーをさせるのです。

例えば『ずっと一緒にいると約束したじゃない!』とか『なんであの時こうしてくれなかったんだ!』とかです。

最終的に『バカヤロー!!』と叫んだりします。

ことが起きてからある程度の年月が経っているのに癒えない悲しみにはあえてこのように掘り起こして発散させるのも良いかもしれません。

まとめ

結論としては悲しみをすぐに消し去ることは難しいかもしれません。

しかし、悲しい出来事によって学べることもあるはずです。

そこから築き上げる人生にはまたかけがえのない繋がりが出来ます。

私は悲しい出来事によって繋がりや感謝することの大切さを学びました。

そして悲しみは人生を彩るひとつの要素だと観るようにしています。

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