
自己啓発や心理学に詳しい人ならフロー(flow)という言葉を一度は聞いたことはあるのではないのでしょうか。
人が極限に集中している状態のことをフロー状態と呼びます。
オリンピックに出場するスポーツ選手や世界レベルのアーティストなどはこのフロー状態によく入ると言われています。
フロー状態になることによって仕事をはじめとしたあらゆることの生産性やモチベーションが大きく飛躍します。
そこで本記事では
- フロー状態について定義や意味
- フロー状態に入る為の条件やコツ
などを解説していきます。
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目次
フロー状態とは
フロー状態とはポジティブ心理学における権威である『ミハイ・チクセントミハイ』によって提唱された理論です。
フロー(英: flow)とは、人間がそのときしていることに、完全に浸り、精力的に集中している感覚に特徴づけられ、完全にのめり込んでいて、その過程が活発さにおいて成功しているような活動における、精神的な状態をいう。ゾーン、ピークエクスペリエンス、無我の境地、忘我状態とも呼ばれる。
Wikipediaより引用
上記の引用にもあるようにフロー状態とはいわば無我夢中で物事に取り組んでいる状態といえます。
子供の頃に何かの遊びに取り組んで時間があっという間に過ぎ去ってしまったあの感覚ですね。
フロー状態が発見された経緯
冒頭にあったようにフロー状態を提唱したのは心理学者のミハイ・チクセントミハイです。
ミハイ・チクセントミハイは第二次世界大戦が終息した直後のハンガリーで育ちました。
終戦直後の厳しい環境で育ったミハイ・チクセントミハイは『人生』とはそして『幸せ』とはなにかを日々考えていました。
やがてミハイ・チクセントミハイはアメリがに移住し、研究者として
- アーティスト(芸術家や音楽家)
- 科学者
- スポーツ選手
といった人々を対象に『いつ、どんな条件において幸せを感じるのか』についてインタビューしたのです。
インタビューの結果、インタビューしていた人に共通していたのは
- クリエイティブな活動
- 高いスキルや能力を必要とされる活動
といった物事に没頭している時に時間の流れや疲労感を感じずに、継続的な満足感を得られていることを発見したのです。
この発見からミハイ・チクセントミハイは人間がとある活動に没頭し、極限に集中している状態のことを『フロー』と提唱したのです。
フロー状態になる条件
フロー状態になる条件は以下の条件が必要とされています。
それぞれ解説していきます。
明確な目標があること
明確な目標があることとはフロー状態に入る第一条件です。
明確な目標があることとは今何をすべきがはっきりと自覚している状態です。
目標を明確にするには
- 数値化する
- 期限を設ける
- 目標が達成された状態を思い描く
などがあります。
例えば仕事で資料の作成に取り組むとします。
その時に
と目標を定めるより
と目標を定めるとフロー状態に入りやすくなります。
目標が達成できる期待がもてるものであること
フロー状態に入るには、その目標が達成できる期待がもてるものである必要があります。
したがって目標に取りかかる際はその目標がどれくらいの確率で達成できるものかを検証する必要があります。
ひとつの指標としては達成できると思える確率が70%以上あるものが望ましいです。
さらに、目標向かって取り組んでいる時に想定外に難易度が高かったり、トラブルなどがあれば達成できると思う可能性と共に集中力が大きく下がることもあります。
その場合は一度目標を見直し、達成できると思える基準に下方修正すればまた高い集中力を維持することが出来ます。
進歩が即座に確認できる状態であること
進歩が即座に確認できる状態であることもフロー状態に入る条件です。
進歩が即座に確認できるとは
- 今自分が目標までどれくらい進んだのか
- 今取り組んだことはどれくらい効果があったのか
などをデータ的に認識する必要があります。
例えばダイエットをするとして1時間のウォーキングによる有酸素運動をするとします。
この時に携帯の歩数計アプリなどを用いれば運動力と消費カロリーを素早く確認でき、即座に自分の進歩が確認することが出来ます。
このように自分が取り組んでいる目標に対して進歩を即座に数値化したりデータ化し、肯定的なフィードバックが得られるとフロー状態にはいりやすくなります。
取り組んでいる活動に価値を感じていること
フロー状態に入るには取り組んでいる活動に価値を感じていなければなりません。
しかし、『価値を感じる』ことと『好きである』ということとは微妙に違います。
価値を感じることとは『その目標に取り組むことによってどのようなメリットが得られるのか』を自覚している状態です。
例えば仕事で面倒に感じる業務に取り組んでいるとします。
この仕事に対して
と考えたら集中力が散漫になり、能率も悪くなります。
しかし、これとは逆に
と考えれば仕事に対する価値を見出し、フロー状態に入りやすくなります。
意識が極限に集中していること
意識が極限に集中している状態とはつまり今取り組んでいること以外のことが気にならない状態といえます。
いわば一種の瞑想状態のようなものです。
時間の感覚の変化や意識が統制できている感覚がもてること
フロー状態に入ると時間の感覚と意識感覚に変化が起きます。
時間の感覚が過ぎるのが圧倒的に早くなります。
何か好きなことに没頭している時に時間が過ぎるのが早くなる現象と同じです。
意識が統制できている感覚とはいわば、普段以上に高いパフォーマンスを維持できている状態のことです。
意識を逸らすことなく、目標に向けて順調に取り組んでいるという感覚です。
フロー状態になるコツ
先述したフロー状態になる条件を基準にするとフロー状態になるコツは以下の点が挙げられます。
・その目標に取り組むことによってどんなメリットや価値があるか把握すること
・取り組む過程でこまめに進行状況を確認し、必要に応じて目標を修正すること
・注意が散漫になりにくい環境で取り組むこと
よくよく考えれば非常にシンプルなことですがひとつひとつ意識して行うことによってフロー状態に入りやすくなります。