完璧主義と聞くと人によっていろんなイメージがありますよね。
仕事を完璧に責任感をもってこなし、信頼できるイメージがあるという人もいれば、逆に基準が高すぎて、交流しづらい、近寄りがたいというイメージを持つ人もいます。
同じように完璧主義の当人はその性格にメリットを感じている人もいれば、逆にデメリットを感じる人もいます。
筆者も完璧主義でしたが、度が過ぎて精神的に疲れてしまったことがありました。
周りから「ストイックだね」と称賛される一方で実は近寄りがたい雰囲気を感じさせてしまっていたような気がしますし
知らず知らず、自分の基準や価値観を周りに強制することもありました。
はては周りに需要もないのに、勝手に自分の基準で仕事をしたり、質に拘りすぎてなかなか物事が進められないということも日常茶飯事でした。
そういった自分の拘りが強すぎて、知らず知らず自分も、周りの人も疲れさせたり、悩みの種を作ってしまっていたんですよね。
現在は以前より完璧主義な自分が弱くなり、柔軟な考え方が出来て心が楽になりました。
この記事ではそんな実体験から
- 完璧主義の原因
- 完璧主義をやめるコツ
などを解説していきます。
目次
そもそもなぜ完璧主義になる必要があるのか?
完璧主義をやめたいと思った時にまず考えることは『自分がなぜ完璧主義になる必要性を感じているのか』という点を理解する必要があります。
完璧主義をやめたいという葛藤は裏を返せば『完璧主義をやめられない理由』があるからです。
でないと、デメリットしかない完璧主義をあっさりやめられるはずです。
完璧主義をやめられない人は無意識的に『完璧主義でなくなってしまうと何かを失ってしまう』と恐れを感じていることが多いです。
その潜在的に染み付いている理由を解明することが完璧主義から抜け出すきっかけになります。
『過去の成功体験』が完璧主義を手放せない理由
大抵の場合、完璧主義から抜け出せないのは『完璧主義によって得られた成功体験』の印象が根強いからです。
よくある例が
- 厳しい親に育てられた
- 勉強や仕事やをストイックにやってうまくいった
- 基準が高い先生や師匠に師事していた
などがあげられます。
育ての親の影響による完璧主義
完璧主義のなかでも特に親の影響でなっている人は多い傾向があります。
常にテストで高い点数を取らないと褒められなかったり、兄弟などの上に立ったりすると、兄や姉に求められるリーダーシップを発揮することを求められます。
なぜなら『完璧な子供』を演じないと親からの愛情を得られなかったからです。
つまり、『愛されるためには常に優秀な自分でないといけない』と錯覚してしまうのです。
ストイックに努力して成功してきた完璧主義
二つ目は『必死に頑張ってうまくいった成功体験』が強く印象に残っているパターンです。
人一倍努力して、ようやく成功を掴み取った体験があればあるほど完璧主義に執着する傾向があります。
結果的に『人一倍努力すれば、完璧にこなせうまくいく』と潜在的に認識しまい、それが完璧主義から抜け出せないきっかけになります。
また、頑張って周りから褒められたり称賛されて、自己顕示欲や自己重要感を満たせた体験がある人もその栄光が忘れられずに完璧主義に陥ってしまうことがあります。
尊敬している先生などの影響による完璧主義
3つ目は自分がリスペクトしている先生や師匠などの影響で完璧主義になったパターンです。
筆者はこのパターンでした。
色々向上心を持って特定の先生の元で学ぼうとすると、その先生の基準で行動しようとします。
大抵の場合、成功している人は並ならぬ高い基準を持って成功しています。
そんな飛び抜けた基準の人に合わせて、自分より何倍の高いステージに背伸びしてしまうから疲れてしまうんですね。
完璧主義をやめる方法
完璧主義をやめるオススメの方法は以下の手順でおこないます。
- 自分が完璧主義になっている心理的原因を特定する
- 完璧主義の原因を色々な視点で観察してみる
- 代替案を考える
それぞれ解説していきます。
1・自分が完璧主義になっている心理的原因を特定する
まずは自分が完璧主義になっている心理的原因を特定します。
先述したように、完璧主義になっている理由は完璧主義になることで得られるものがあり、完璧主義にならないことで失うものがあると思っているからです。
それを特定するには以下の質問を自問自答してみます。
『もし、私が完璧主義をやめるとどのような嫌なことが起こるか?』
出来れば静かな環境でこの質問について考えてみます。
『完璧主義をやめた状態』を具体的に映像化して想像すると分かりやすいです。
例えば、仕事上で完璧主義から抜け出せないという人がいたとします。
そこで、自分が完璧主義をやめたあとのシーンを想像してみると、職場全体の仕事がまわらなくなり、周りからの評価も下がるようなイメージが想像できました。
つまり、この人は完璧主義をやめると『仕事がまわせなくなり、周りに迷惑がかかり、自分の評価が下がる』と思っているわけです。
これが完璧主義から抜け出せない心理的要因となります。
2・完璧主義の原因を色々な視点で観察してみる
完璧主義の原因が特定できたら、その原因を色々な視点で観察してみます。
大抵の場合、完璧主義になる原因は自分の先入観を持っていることが多いからです。
自分の先入観に気づく為には『本当に完璧主義である必要があるのか?』という質問を自問自答してみます。
例えば先ほどの例の場合、『完璧主義でなくなる』=『仕事がまわらなくなり、周りの評価もさがる』というイメージが紐づいていたわけです。
このイメージに対し、様々な視点で切り込んでみます。
- 完璧主義は質の高い仕事や評価を得るための絶対条件だろうか?
- 逆に完璧主義でなくても仕事がうまくいった経験はないだろうか?
- 仕事を回せる人や評価が高い人はみんな本当に完璧主義だろうか?
といった自分が元々持っている先入観に対して、疑問を持って新しい視野を持って考えてみます。
そうすると自然に自分の完璧主義に拘る必要性が自然と薄れてきます。
3・代替案を考える
最後に完璧主義から抜け出す為の代替案を考えます。
つまり、『完璧主義で得らていたと思われる肯定的な結果』を『完璧主義でなくとも同じ結果』を得られるようにアイデアを出していきます。
『自分が完璧主義にならずに肯定的な結果を得られる方法はあるのか?』と自問自答するのです。
先ほどの例でいえば、『完璧主義ではなくても仕事で高い成果と周りからの高い評価を得る方法があるか?』ということを自問してみます。
すると
- 自分が担当していた仕事を他の社員に委任し、サポートに回ってみる
- 自分の高い基準ではなく、周りが求める基準にあわせる
といったような代替案が浮かんできます。
それぞれの代替案を実行し、完璧主義だった時と比べてポジティブな結果になればそれが完璧主義から抜け出すきっかけになります。
私が完璧主義をやめられた実体験
筆者が完璧主義をやめられたのは『自分の完璧主義は完全なエゴだった』ということに気づいたことがきっかけでした。
例えば、仕事だと『クライアントに対してこう接するべきだ』とか『成果を出す為に常にクライアントの為になにかしら行動しておかなければならない』と思っていたのです。
すると、周りで仕事の進行度合いが遅かったり、休んでいる人などをみるとイライラしてくるんですよね。
さらに気づいたら、休む暇もなくなってきて体調を大きく崩してしまったことがありました。
その時に思ったのが、『自分の完璧主義は誰かの為にやっていたのではなく、自分の自己満足でやっているのではないか?』ということでした。
自分の目線で考えるのではなく、相手の目線に合わせて適切なアプローチをすれば変に力をいれずとも結果を出すことができると思ったのです。
するとまるで鎖が解けたように楽に疲れることもイライラすることも少なくなりました。
このようにちょっと視点を変えることが完璧主義から抜け出すきっかけになります。