おそらくコーチングと聞いた人の大半は上記のようなイメージをもたれるのではないのでしょうか。
筆者も『コーチング』と初めて聞いた時は『なんだかよくわからない新手の自己啓発スキル』のようなものだと思い、敬遠していました。
残念ながら日本のコーチング業界は健全で信頼ができるというイメージとはほど遠いです。
現在、筆者はコーチとして活動しておりますが、正直同業として怪しいという印象を受けるコーチは少なくありません。
そこで本記事では
- コーチング業界が怪しいといわれる理由
- 信頼できる本物のコーチの見極め方
などを紹介します。
目次
コーチング業界が怪しい、胡散臭いと言われる理由
コーチング業界の怪しさや胡散臭さがあげれる要因は以下の4点があげられます。
・コーチによって実力の差が激しい
・誰でもコーチと名乗れてしまう
・自己啓発業界や情報商材のイメージと重なる
それぞれ詳しく解説していきます。
コーチングの定義がない
第一の要因としてはコーチングそのものに明確な定義がないというものです。
コーチングには世界共通の定義がありません。
いってしまえばなんだってコーチングとして定義づけることが出来ます。
〇〇式コーチングや〇〇流コーチングと、コーチングの名前のついたものは多くあります。
しかし、定義も理論も目的もそれぞれのコーチングによって異なり、客観的にみれば混乱させる要因が沢山あるでしょう。
その抽象的で定義の曖昧なイメージがコーチング業界に対する胡散臭さの要因のひとつになっています。
コーチによって実力の差が激しい
プロコーチは非常に実力の差が激しい世界です。
先述したようにコーチングには定義がありません。
したがってプロコーチの基準も明確なポイントが存在しません。
プロコーチを養成する機関もその機関によってライセンスの発行条件の難易度が異なります。
- 年単位で知識習得と実技実践をし、厳しい審査をクリアして認定ライセンスを発行する団体
- 3週間ほどの合宿セミナーを受講するだけで認定ライセンスを発行する団体
といったようにプロコーチとしての認定基準にかなりのムラがあります。
客観的にみれば本当に実力があるのか怪しいと思わざるえないでしょう。
コーチングの効果やエビデンスが伝わりづらい
コーチングは得られる効果やエビデンス(効果の実証)が非常に理解しづらいです。
一般的に『コーチングとは何をしてくれるものなのか?』という問いに対してはっきり答えを理解している人は少ないと思います。
これもクドく言っているように『コーチング業界共通の定義づけ』がはっきりされていないところが要因にあげられます。
一般的にコーチング料金は安くありません。
数ヶ月のパーソナルコーチング契約などとなると少なくとも数十万円以上のセッション料金が必要です。
すると
- コーチングセッションのどういった点に価値があるのか
- コーチングを受けることによる具体的な効果とエビデンス
といった点を明確に提示できないと『怪しさ』や『胡散臭さ』は払拭しきれないでしょう。
自己啓発業界や情報商材のイメージと重なる
コーチングはその性質上、自己啓発業界や情報商材業界のイメージと重なるところがあります。
『コーチングを受ける人の属性』と先述した業界を利用する人の属性が近いからです。
その属性とは
- 大きな夢を叶えたい
- もっと豊かな生活をしたい
- 影響力のある人物になりたい
といったように向上心ある目標や欲求を持つ人のことです。
こういった向上心ある人は自己投資に積極的なので、悪質な自己啓発セミナーや情報商材を購入して後悔することがあります。
筆者も何度か非常に痛い経験をしました。
こういった似た業界の『負のイメージ』から、コーチング業界も同じように思われていることも少なくありません。
怪しくない『本物のコーチ』の見極め方
本物のコーチを見極めるには以下の3点がはっきりと理解できる人を選ぶことがおすすめです。
・コーチの経歴
・コーチとして活動している理由
こちらもそれぞれ解説していきます。
コーチとしての実績
やはり、実力として第一に信頼できる要素は『コーチとしての実績』です。
ある程度実績があるとコーチのプロフィール情報に
- 担当してきたクライアントの人数
- 担当してきたクライアントの職業や社会的地位
- 担当してきたクライアントのレビュー
などが掲載されています。
もし、これらの実績となる情報がはっきり分からないのであればあらかじめコーチに直接実績を聞くことが一番です。
また、コーチの主張する実績だけではなく、口コミなど第3者からの社会的評価があるともっと良いです。
コーチの経歴
コーチ自身の経歴も信頼を構築する大事な要素です。
基本的にコーチングは数ヶ月から年単位の契約になり、いわば人生の一部をコーチと過ごすことになります。
したがってクライアントにとってコーチ自身の人生経験も大事な要素になってくるでしょう。
コーチングをお願いできるうえで一番安心できるのは自分が目指している目標をすでに達成している人、もしくはなんらかの実績がある人です。
コーチとして活動している理由
意外に見落としがちなのが『コーチとして活動している理由』の部分です。
基本的にどのコーチも『なぜプロコーチとして活動しようかと思ったのかの理由』を持っています。
『コーチングと出会ったきっかけ』から『プロコーチになろうと決意したとき』などなんらかのストーリーとバックグラウンドがあります。
そして、プロコーチとしてプロ意識とプライドをもって活動している人は必ずミッションを持っています。
ミッションとは『コーチとしての活動の指針』です。
- どのような人の助けになりたいのか
- どのように社会貢献していきたいのか
といった点が明確でかつ、それがコーチングでなければ成し遂げられないという確信があります。
まさしく『コーチ』という職業がひとつの生きがいになっている人です。
こういったコーチはまず、不誠実かつ、無責任な仕事はしません。
あまり参考にならないコーチの例
コーチを選ぶ際に下記の要素はあまり当てになりません。
・著名コーチの弟子
筆者は何人かのコーチングを実際に受けてきましたが上記の点はコーチングの質を左右するうえであまり当てになりませんでした。
それぞれ解説していきます。
コーチングの資格
コーチングの資格はコーチの実力を保証するものではありません。
コーチングの資格の持つ意味は『資格を発行した団体が定めているプロコーチの基準をクリアした人』ということになります。
このプロコーチとしての基準は前述したように、資格を発行している機関によってバラバラです。
なんの実践的な実技もおこなわず、学校のように授業を受けるだけでコーチングの資格を取得できる機関もあります。
そのコーチング資格が実力を保証するかどうかは発行している機関の規模や認定基準をあらかじめ調べることです。
社会的権威があるコーチング資格でないコーチング資格保持者のコーチングを受けることはリスクがあります。
信頼できるコーチング資格についてはこちらの記事で解説しています。
著名コーチの弟子というブランドに騙されない
筆者の個人的に学んだ体験談は著名コーチの弟子と名乗るコーチは信頼性に乏しいということです。
コーチング業界には少なからず影響力を持つ著名なコーチがいます。
筆者は崇拝するコーチが複数いますが、そのコーチに関係性が近い内弟子となるコーチのセッションを受けたことがあります。
素晴らしいコーチもいましたが、残念ながら失望するコーチもいました。
この『素晴らしいコーチ』と『失望したコーチ』の違いは実践経験とプロ意識です。
素晴らしいコーチは主体的で独立して活動しており、師のブランドを借りずともコーチとしての実績を積み上げています。
逆に失望するコーチは師のブランドに甘えて、受動的にコーチングセッションをしています。
大抵は師のコーチが抱えきれなかったクライアントにフォローアップする形でコーチングセッションをおこない、マニュアルテイストなコーチングセッションをおこなっています。
こういったコーチは影響力のある師のコーチの存在がなければプロコーチとしての活動は大変厳しいものになります。
したがって大事なことはコーチングのブランドではなく、先述した実績や経歴、コーチとしてのミッションなどが参考になってくるでしょう。