近年では人に認めたいという『承認欲求』という言葉がトレンドになっています。
SNSなどで気軽に自分の意見や価値観などを発信できる場所が増えてきたのも背景にあるのでしょう。
筆者もSNSの元祖であるmixiがトレンドだった頃から承認欲求に悩まされていました。
(当時は承認欲求にとりつかれていると気づいていませんでしたが)
毎日毎日、一生懸命ブログや人の気持ちに響くような良い言葉や学びを考えては発信し、いいね!やコメントをフォロワーに求めていては満たされず、苦しい発信をしていました。
ネットに限らず、現実の生活においても承認欲求に悩まされることは少なくありません。
- 家族に認められたい
- 友達に認められたい
- 仕事を評価してほしい
といったようによくよく考えれば日常は承認欲求を刺激するようなことばかりなのです。
そこで本記事は長年承認欲求と付き合ってきた筆者が
- 承認欲求の原因
- 承認欲求との付き合い方
などを解説していきます。
目次
そもそもなぜ承認欲求は生まれるのか?
承認欲求は悪いイメージを持たれがちですが、一概にそうでもありません。
承認欲求は人間が人生生活を楽しむ大事な要素のひとつだからです。
一般の家庭環境で育った人なら小さい頃に、親に褒められる為に勉強を頑張ったことが一度はあるはずです。
そして努力を評価され、褒められたら、当然嬉しかったはずです。
するともっと勉強を頑張ろうというモチベーションに繋がってきます。
このように人間が持つ承認欲求は人間の成長や社会の発展に大きく貢献しているのです。
世の中に私の努力を認めてもらいたいという動機でたくさんのアイデアや価値のあるものが生み出されて、人類に貢献してきたものが多くあるのです。
問題は承認欲求が存在することではない
本当の問題は承認欲求があることではなく、承認欲求が適度に満たされていないことが辛さの原因です。
ここで言う適度に満たされていないとはどういうことかというと、全く満たされないのもダメですし、満たされすぎというのもダメということです。
コップに水を注ぐイメージを例えにすると分かりやすいです。
認められたと感じる度にコップに水が注がれるとします。
水が器に注がれている時や器にある程度の水が満たされいると認識できる時は充実感や幸福感を感じることができます。
けれどそのまま注がれ続けてしまうと、当然コップから水が溢れてしまいます。
するとどれだけ水を注いでも自分が満たされているということを感じにくくなっていきます。
人にどれだけ褒められたり、評価されたりしても承認欲求が満たされた感覚を感じることができません。
すでに満たされているということに気づくことができないからです。
また、コップをあらかじめ壊しているような人もいます。
つまり、他人の評価を素直に受け止められない人、自己不信が強い人です。
私はこのタイプでした。
ちょっと褒められたり、評価されても受け入れずに跳ね除けてしまっていたんです。
するといつまでもコップが空っぽのままなんですね。
辛い承認欲求の原因を知る方法
世の中には辛い承認欲求の原因について色々な解説がされていますが理屈よりも、もっと直接的で簡単な自分の承認欲求を知る方法があります。
それは以下の質問を自分に投げかけるだけです。
『もし認められた(褒められた)ら、どのような嬉しいことがあるのか』
この質問を自分に投げかけてみます。
つまり、もし承認されたら自分がどのような嬉しい未来を連想するのか探索するのです。
親に認めらている自分、上司に評価されている自分、友達から褒められている自分などなど
想像できたら次に、イメージの中で感じているポジティブな感覚、感情に意識をフォーカスしてみます。
その時に感じられる感覚は大抵以下の4つのパターンに行きつきます。
・集団のなかでの繋がり、一体感を感じる
・優越感や自己重要感を感じる
・人の役に立っているという貢献感を感じる
こういったポジティブな感情こそが承認欲求を満たす本当の目的です。
一生懸命仕事やSNSを頑張るのも潜在的にはこういった潜在的な感情のニーズを満たす為に行動しているのです。
詳しくは以下の記事でも解説しています。
承認欲求を満たす為の具体的な方法
どうしても承認欲求を抑えたい時は以下の方法がおすすめです。
・誰かの承認欲求を満たす
それぞれ解説していきます。
自分で承認欲求を満たす
承認欲求は自分で満たすこともできます。
いや、誰かに認められたいのに自分で承認欲求が満たされるわけないじゃんと思うかもしれません。
しかし、これが逆で自分を承認できていないと自分以外からは承認されにくくなるのです。
これは筆者の体験でもありますが、ある程度、自分の能力などを肯定的な自己評価できていないと他人から肯定的な評価を受けた時に受け止められないのです。
せっかく褒めてもらったのに愛想悪く接してしまったり、相手の評価に真っ向から突っ張ねてしまいます。
こうなると他者から客観的にみて、付き合いづらい印象を持たせてしまいます。
そうなると最も建設的な対策が自分で自分を認める、つまりある程度の自己評価を持っておくことなのです。
自己評価をあげる為の簡単なワーク
自己評価をあげるには
- その日に1日で達成したことを紙に書く
- 感謝の気持ちや労りの気持ちを記した自分宛の手紙を書く
- 鏡に向かって自分を褒める
上記は慣れないうちはぎこちなく感じるかもしれませんが、確実に効果があります。
コツは一度自分のことを客観的に評価する習慣を持つことです。
自分の努力は他の誰でもない自分が理解しています。
そこを当たり前だと決めずに、主体的な視野から離れ、客観的に評価するのです。
誰かの承認欲求を満たす
ある程度、自己評価ができるようになってきたら今度は誰かの承認欲求を満たすことをします。
いや、自分が承認されたいのになんで他人の承認欲求を満たさなければならないの、と思うかもしれませんがこれには理由があります。
世の中には与えたものをいずれ受け取る仕組みがあるからです。
心理学的にも返報性の法則といい、人は受け取ったものを相手にお返ししようという心理が働くのです。
褒められた人は自然と褒めてくれた相手も褒めようとしてくれるのです。
最初は社交辞令のように感じられるようなぎこちないコミュニケーションになるかもしれませんが、慣れてくると自然と相手の良い点を見つけることができて、心の底から相手の承認欲求を満たすことができます。
すると、お互いに承認欲求を満たし、ウィンウィンの人間関係を築くことができます。