本記事では広告業界において世界的なエキスパートである、ドルー・エリック・ホイットマンの『現代広告の心理技術101』を紹介していきます。
この本には、著者であるドルー・エリック・ホイットマンが23年以上にわたり広告業界で働いてきた知識と経験、テクニックの全てが記されています。
ドルー・エリック・ホイットマンは小売店から数百万ドル級(数百億円)の大企業に至るまで幅広い規模で数多くの広告を手がけ、事業を成功に導いてきました。
広告を通じたマーケティングに関わる人はもちろん、個人事業主を初めとした事業を行う人であれば必ず役に立つ必読書です。
そこで本記事では『現代広告の心理技術101』の
- 概要や目次
- レビューやおすすめのポイント
などを紹介していきます。
目次
『現代広告の心理技術101』の概要
『現代広告の心理技術101』は、ビジネス書やマーケティングの書籍関連の権威であるDIRECT出版から2011年に初版が発行されました。
マーケティング専門書としては異例の累計6万部以上を超えるベストセラーであり、多くの広告に関わる人にリスペクトされている書籍です。
一言に「広告」と言っても様々な広告があります。
・チラシ
・DM
・新聞広告
・雑誌広告
などが存在します。
この本ではその全ての広告媒体に通づるノウハウや考え方を網羅しています。
広告に記す文章についてはもちろん、
・フォント
・デザイン
など専門的な分野についても書かれています。
さらに
- 広告を出稿する上でのノウハウやテクニック
- 消費者の行動心理
- 人間の本能や欲求
などに至るまで幅広く解説しており、バラエティに富んでいるので読んでいて飽きることがありません。
これ1冊で広告の全てがわかると言っても過言ではないほどの優れた書籍です。
著者の『ドルー・エリック・ホイットマン』について
著者のドルー・エリック・ホイットマンは11歳の頃からダイレクトレスポンス広告による販売を始め、現在まで広告業界に関わっている業界の権威です。
大学にて広告学の学位を取得した後は、フィラデルフィア最大の広告代理店や世界最大手のダイレクト型保険会社などの大手企業にてコピーライター及び、その指導者として長きにわたり活躍をしてきました。
ドルー・エリック・ホイットマンのクライアントには、全米自動車協会やアメリカの燃料業界最大手のテキサコを初めとした、全米の多くの大企業がその名を連ねています。
そんなドルー・エリック・ホイットマンは現在、自身もコピーライターとして活動する傍ら、後進のコピーライターやマーケッターを育成する指導者として活躍しています。
また全米各地の商工会議所で開催している大規模広告セミナーの開発者、プロデューサーでもあります。
本書を読むのにおすすめの人
- これから広告による販促をはじめようとしている人
- 広告の改善点やアイデアを発見したい人
- 顧客心理を理解したい人
- セールスライター
本書は広告に関わる専門書ですが、純粋にひとつのビジネス書としても読み甲斐があります。
上記に関わる人でなくても、普段ビジネス書を読んでいる人も面白く読めるかもしれません。
前半の顧客心理に関する解説部分だけでも、様々なビジネスシーンで活かせる発見があります。
『現代広告の心理技術101』の『目次』は?
広告からよりよい成果を出したい?
はじめにINTRODUCTION
顧客は買いたがっている!セールスの達人は説得の達人
顧客との心理的駆け引きを研究するCHAPTER 1
人々が本当に求めているものクライアントはお金をドブに捨てている
何も学んでいない広告関係者
時代は変わっても消費者心理は変わらない
生命の8つの躍動
名書店が教えてくれる人間の欲求
人間の後天的(二次的)9つの欲求
具体的視覚的言葉でイメージさせる
広告とは消費者に行動を促すことCHAPTER 2
相手の頭の中に入る方法
消費者心理の17の基本原則原則1 恐怖という要素
恐れを誘って売る原則2 自我の変形
すぐに同一化できるか原則3 転嫁
ひとりでに得られる信頼性原則4 バンドワゴン効果―
飛び乗れる何かを相手に与える原則5 手段・目的連鎖
決定的に重要な核心部原則6 理論を超えたモデル
段階的な説得原則7 接種理論
相手は一生あなたを選ぶ原則8 信念のリランキング
相手の現実を変える原則9 精緻化見込みモデル
相手の態度を調整する原則10 影響力の6つの武器
説得への近道原則11 メッセージの構成
大切なことを明確に伝える原則12 セルフ・デモンストレーション
鮮明なイメージを描く原則13 二面性のあるメッセージ
両方向から説得する原則14 反復と重複
親近感を抱かせる原則15 修辞疑問文を使う
これって面白いよね?原則16 証拠
急げ!事実を売り込め!原則17 ヒューリスティックス
怠け者の脳に役立つ方法CHAPTER 3
買わずにいられなくなる秘密のテクニック
買わせるための41のテクニック電球1個のために3000の理論を考えたエジソン
広告界のエジソンが実践したテクニック買わずにいられなくなる秘密のテクニック1
簡潔性の心理学買わずにいられなくなる秘密のテクニック2
メリットで攻め立てる買わずにいられなくなる秘密のテクニック3
最大のメリットをヘッドラインに入れる買わずにいられなくなる秘密のテクニック4
希少性を強調する買わずにいられなくなる秘密のテクニック5
心理的によく効くヘッドラインのキーワード買わずにいられなくなる秘密のテクニック6
読み手をコピーに引き込む買わずにいられなくなる秘密のテクニック7
360度注目を集める買わずにいられなくなる秘密のテクニック8
反転の落とし穴買わずにいられなくなる秘密のテクニック9
このうえない具体性でライバルを圧倒する買わずにいられなくなる秘密のテクニック10
オグルヴィの有名なレイアウトの法則買わずにいられなくなる秘密のテクニック11
活字書体の心理学買わずにいられなくなる秘密のテクニック12
デザインはプロに任せる買わずにいられなくなる秘密のテクニック13
質問の力買わずにいられなくなる秘密のテクニック14
ダイレクトメールの「おばあちゃんルール」買わずにいられなくなる秘密のテクニック15
「社会的証明」の心理学買わずにいられなくなる秘密のテクニック16
ギロチン原理買わずにいられなくなる秘密のテクニック17
PVA―あなたのコピー力を強める簡単な方法買わずにいられなくなる秘密のテクニック18
頭の中の動画を演出する買わずにいられなくなる秘密のテクニック19
人間の惰性(怠惰)と闘う買わずにいられなくなる秘密のテクニック20
独自のセールスポイントを確立する買わずにいられなくなる秘密のテクニック21
あなた自身の島を買う買わずにいられなくなる秘密のテクニック22
オーソリティー・ポジショニング買わずにいられなくなる秘密のテクニック23
調査を装ったセールスレター買わずにいられなくなる秘密のテクニック24
写真やイラストで広告にパワーを買わずにいられなくなる秘密のテクニック25
グラバーで心をとらえる買わずにいられなくなる秘密のテクニック26
短いコピーより長いコピー買わずにいられなくなる秘密のテクニック27
オファーを試す買わずにいられなくなる秘密のテクニック28
調査のパワー買わずにいられなくなる秘密のテクニック29
記事広告で行動を促す買わずにいられなくなる秘密のテクニック30
クーポンで説得する買わずにいられなくなる秘密のテクニック31
ネットでの反応を高める7つの方法買わずにいられなくなる秘密のテクニック32
複数ページに広告を出す買わずにいられなくなる秘密のテクニック33
保証すればレスポンスが増えるという保証買わずにいられなくなる秘密のテクニック34
大きさの心理学買わずにいられなくなる秘密のテクニック35
ページとセクションの心理学買わずにいられなくなる秘密のテクニック36
ファンタスティック・フォー買わずにいられなくなる秘密のテクニック37
消費者が好む色を使う買わずにいられなくなる秘密のテクニック38
価格の心理学買わずにいられなくなる秘密のテクニック39
色の心理学買わずにいられなくなる秘密のテクニック40
広告を白で囲む買わずにいられなくなる秘密のテクニック41
「気の利いたもの」を追い求めない22のレスポンス・スーパーチャージャー
お得感を伝える9つの方法
楽に買えるようにする13の方法
クーポン利用を高める11の方法
「驚異的な広告」にする46のチェックリストEPPILOGUE
広告のプロが最後に言いたいことライバルが知らない広告テクニックのすべて 付録
現代広告の心理技術101を読んでの感想、気づき
筆者はまわりのビジネス仲間がよくこの書籍をリスペクトしたことがきっかけで本書を知りました。
しかし、広告を始める予定もなかったし、アマゾンのレビューは賛否両論だし、なかなか手を出さずにいたのです。
最近広告を検討し初めてようやく手に取ったのですが、『もっと早く読んでおけば良かったな』と思ったのが素直な感想です。
本書の個人的な感想
私はこの本を最初から最後までとても興味深く読むことができました。
職業柄にビジネスに関わる心理学に興味があったというのもありますが、広告という媒体を通じての見込み客とのコミュニケーション方法などそれまでになかった知見を得られたからです。
本書の魅力のひとつは販売者が無意識的に犯しがちな間違いや固定概念を著書のドルー・エリック・ホイットマンが事例を交えてバッサリ切ってくれるところです。
案外、販売者側になると気づいていないことが沢山あるんですよね。
また本書の最後にある『「驚異的な広告」にする46のチェックリスト』は私のような広告初心者にとってとても実用的で広告の質を判断する際のわかりやすい指針になります。
自分の作った広告をチェックリストに照らし合わせることで効果の高い広告を作ることが出来ます。
本書をおすすめしづらい人
先述しましたがAmazonなどのレビューのなかには本書の原書が英語であるせいか、翻訳が読みづらい、日本人には合わないのでは?という意見もあります。
確かにはじめて広告やマーケティングに関わる書籍を読む人に本書はおすすめはしづらいです。
ある程度、基礎的な広告やマーケティングの知見があり、なおかつある程度ビジネス書の翻訳本に慣れる人にはおすすめできます。
翻訳本は慣れないとなかなか頭に入ってこないところもあると思いますね。
筆者は洋書を原書とした書籍を沢山読んできたので、翻訳上の違和感や文化的な考え方の違いなどどうしても日本人に馴染まないところがあるのは仕方ないと思っています。
広告の価格表示(米国の価格)や色彩心理など一部は日本人の捉え方や考え方には合わないかもしれないな、と感じたところもありました。
また、本書は300ページ以上あり、辞典並みに情報量が濃い本ですので読書慣れしてないと怯んでしまうかもしれません。
広告をこれから学ぼうとする人だったら本書の前に簡単な広告の入門書などを読んだ方が良いと思います。
本書のおすすめの使い方
本書はいろいろな使い方があると思います。
- 広告のテクニックを学習する、復習する
- 広告を作る際の手引書として手元に置く
- 広告の改善点を見つける為に読む
- 顧客心理に寄り添ったビジネス戦略をたてる
- 広告の考え方のバイブルとして定期的に読み返す
など、読み手の目的によって幅広いことが得られる本だと思います。
これから事業を行っていく人であれば、すでに事業を始めているいないに関わらず、一通り知っていて損はない内容です。
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※筆者が把握した限り現在は公式サイトが最も安いですが、Amazonなどの中古であればもっと安く買えるようになる可能性もあります