コーチになるためにコーチングスクールは必要なのか?

. メルマガ読者からの質問

毎日のメルマガ配信楽しみにしています。本日も大変有意義な内容でした。その中で質問です。

メルマガの中で、
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ちなみにコーチ養成スクールや講座に
通うのは直接的にみえて
プロから最も遠のく学び方だと
私は思っています。
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と書かれており、自分も今まさにコーチになるべくスクールに通う中で
この型をやることが一番のコーチ像なのか迷ってる現状があります。

可能であれば深掘りした内容を取り上げてもらえたら幸いです。よろしくお願いいたします。


. コーチからの回答

私は職業として真剣にプロコーチになろうと思うのならコーチ養成講座やスクールに通うことはおすすめしていません。

なぜかというと私自身が色々なコーチング関連のスクールに通った経験があるなかで自分を含め、周りの参加者で職業コーチとして自立できた人が周りに1人もいなかったからです。

純粋にコーチングの技術だけを学びたいのであればニーズは満たせますが

『コーチを職業として生計を立てるようになること』を視野に入れているのであればスクールに通うことは慎重に検討した方が良いです。

その理由の一つとして今回ご質問頂いた

『この型(コーチングの流派)をやることが一番のコーチ像なのか?』

というスクールに通った人がよくぶつかる悩みや葛藤という問題があります。

なぜコーチングの流派や型に悩んでしまうのかというと

大抵の場合、スクールで学ぶなかでコーチングの価値が腑に落としきれていないからです。

それは流派の問題というよりかは

『自分がコーチングによって確かな価値を提供できるという確信が持てるか』

というマインドセットの問題だと私は思います。

大抵のコーチングスクールではコーチングについての基本的な講義と実践練習として生徒同士でクライアント役とコーチ役になり、相互コーチングをおこないますが、この練習は自信と経験を積むうえではあまり実践的ではありません。

もちろん、コーチングの経験もないところからの取っ掛かりとしては良いかと思いますが、身内同士でコーチングをやっていてもなぁなぁで終わります。

また、スクールに通った人の特徴として『マニュアル思考から抜け出せない』という特徴があります。

クライアントとどうやってコミュニケーションを取れば良いのかという判断基準はスクールで学んだマニュアルを参考にします。

するとどういうことが起きるかというとセッション中に目の前のクライアントを意識せずに、マニュアルがずっと頭にあるのでクライアントと心から繋がれないのです。

要はスクールに通えば知識とテクニックは身に付くかもしれませんが

それがクライアントにとってお金を払うまでの価値や満足感があるセッションを提供できることになるとは限らないということです。

「しゃあどうやってコーチングの価値を理解しクライアントに伝えていけば良いの?」と思ったと思います。

本当に価値あるセッションを提供したいなら、まずはクライアントの視点に立つことです。

だから私はコーチングスクールに通うくらいならコーチングセッションを受けた方が良いと強く推奨しています。

 

・一度クライアントの視点に立つことによってコーチングにどのような価値を感じたのか?

・コーチングを受けることによって内面にどのような変化が起きたのか?

・目標に対する生産性が上がったのか?

・お金を出してまでコーチングを受ける価値がどこにあったのか?

・自分がコーチになった時にクライアントにどのようにコーチングすれば満足度の高いセッションを提供できるか?

 

それを一度クライアントとして体感的に経験しておかないと自分がコーチとして独立した時に自分のコーチングの価値をクライアントに伝えられません。

それはコーチングスクールではどうしても学び切れないんです。

そしてコーチング業界の話になりますが大抵のコーチングスクールはいわゆる資格ビジネスとしてやっているところがほとんどです。

入り口でコーチは稼げますよ、副業でもできますよ、などいった甘い囁きで訴求してきますが現実はそんな甘い世界ではありません。

ただでさえ、カウンセリングやコーチングに対する必要性が理解されづらい日本の市場でコーチをやっていくのは非常にシビアです。

例えば、今流行りのプログラミングだったらスクールに通ってスキルを身につければすぐに働き口は見つかるでしょう。

エンジニアの人手が足りない企業や組織がやまほどあるからです。

けれどコーチング業界はそうはいきません。

コーチングのサービスを求めている組織や個人はほんの一握りです。

ただでさえ、需要が少ないのにプロとして独立後に少ないパイの取り合いに参加することになるんです。

残念ながらスクールではそういった業界事情を考慮した独立後のフォローまでサポートをしてくれるところは皆無です。

けれど独立し、集客できているコーチならその辺りの業界事情も伺えます。

以上、要点ですがスクールをおすすめしない重要なポイントをお伝えしました。

昨日、今日お伝えした内容で養成講座やスクールを否定したように伝わったかもしれませんが通うのはダメだと言ってるわけではありません。

最初にお伝えしたようにスクールはコーチングの基礎知識や型、スキルを身に着けるには良い環境です。

けれど、コーチを職業として収入の柱を立てるということを目的にするのであればコーチングスクールに通うだけではニーズは満たせず、遠回りです。

私は知識やスキルがあればうまくいくのではないかという思い込みからから抜け出せずあちこちスクールを転々としました。

体験談もあり、多少情が入ってしまいましたがこの話があなたの人生のお役に立てれば幸いです。