コーチングの質問の注意点

本記事は『Q.コーチングの質問が浮かばない時の対処法』に関連する質問として取り上げております。

. メルマガ読者からの質問

いつもメルマガを読み、たくさんの気付きをもらっています。

ありがとうございます。

本日のメルマガで、以下のようにおっしゃっていたことについて、ぜひ詳しくお聞きしたいと思い、ご連絡しました。

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ただコーチの興味本位だけでする質問はクライアントの問題解決に繋がるとは限らないので、

質問をする際には

『その質問をすることによってクライアントにどういう影響を与えるのか?』

という点をコーチは考慮する必要があります。

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クライアントを理解しようとするあまり、なんでもかんでも質問すればよい訳ではない、ということかと思います。

では、玉野さんはクライアントに質問していく過程で、どのようなことを考えて質問を組み立てていらっしゃるのでしょうか?

よろしければ、今後のメルマガのテーマとして取り上げていただければ幸いです。

よろしくお願いいたします。


. コーチからの回答

先日頂いたリクエストに関するさらなるリクエストをありがとうございます。

こうやって、メルマガの内容に関して質問をくださるととても嬉しいです。

頂いた質問に関してですがまず『クライアントを理解しようとするあまり、なんでもかんでも質問すればよい訳ではない』という点について、これは質問してくださった方のご認識の通りです。

コーチがクライアントに投げかける質問はコーチの好奇心やエゴを満たす為ではなく、あくまでクライアントの問題解決やニーズに寄り添い

クライアントが誘導感を感じずに自然と自ら求めていた答えの気づきに繋がったり、

モチベーションがあがったりとクライアントが目標に向かって生産的になれる状態を引き出すことがコーチが投げかける質問の基本です。

じゃあ、上記の結果を得るためにも具体的にどのような点を考慮して質問すればよいのかという点については、実はこれを簡潔に学問的、かつシステマチックに伝えることがなかなか難しいところもあります。

なぜなら、質問に限らず、その投げかけた言葉によって

クライアントがどう受け止めるか?
クライアントがどう反応するのか?
クライアントがどう解釈するのか?

というのはそのクライアントの世界観によって変わってくるわけです。

例えば、コーチングでよくある質問として

『今あなたが達成したい目標はどのようなものですか?』

と投げかけたとします。

この質問に対してクライアントの回答の内容もそうですが、気持ちの反応も十人十色です。

例えば

A:『独立して上場企業の経営者になることです!』
と意気揚々とはっきりとした答えを示すクライアント

B:『独立して、食えるぐらいに生活できればいいかなと思ってます・・・』
と曖昧で抽象度の高い答えを自信がなさそうに答えるクライアント

C:『自分が何を目標にして生きていけば良いのか悩んでいます。強いていうなら目標を見つけることが目標です・・・』
と寂しげに答えるクライアント

仮に上記のA,B,C,の3人のクライアントに

『なぜその目標を達成することがあなたにとって重要なのですか?』

と質問を投げかけたとします。

するとそれぞれのクライアントはどんな反応をすると思いますか?

Aさんにいたっては変わらずはっきりとした答えを気持ちよく答えてくれる可能性が高いです。

Bさんにいたっては多少回答に戸惑う可能性があります。

元々持っていた目標が曖昧だからそこに突っ込まれて質問をされても答えに戸惑うからです。

Cさんに至ってはおそらくコーチの質問の意図が理解できずひどい場合はコーチに対して不信感や不安感を感じる可能性があります。

なにが言いたいのかというとコーチがおこなう質問にはクライアントの精神状態やセッションの方向性に非常に大きな影響を与えているということ

そして本来の目的であるポジティブな方向にセッションの流れを変える質問を選ぶには

コーチがセッション中にクライアントの言葉だけではなく、非言語(身体の動きや感情の動きなど)などを観察しながら傾聴しクライアントの世界観や精神状態を考慮することにことが求められてきます。

結論、前回のメルマガと同じ回答になってしまうのですが私が意識していることは

誰よりもクライアントの世界に寄り添い、理解すること

これを意識すると、感覚的にクライアントと深い信頼感を感じる瞬間があります。

そのステップを超えたらあとはまるで化学反応のようにシナジーが起きて、感覚的にクライアントにどのような言葉を投げかければよいのか直感で浮かんでくるイメージなんです。

こうなってくると前回の回答と矛盾しますが

質問は考えるな、感じろ

という世界になります(笑)

曖昧な回答で申し訳ないですがこればかりは実際のセッションで場数を踏んで感じ取っていくものだと思っています。

現状で私に言語化できるのはこれが手一杯なのでまたはっきりとした答えが出せればまた配信しますね。